スクラムマスター登場

インコ君

オオハシサン、助けてくださいよー!

オオハシ

やれやれ。今日はどうしたんだい?

インコ君

オオハシサン、先週の組織全体会出ました?

オオハシ

そりゃ出てるよ。

インコ君

あそこで中途で紹介された新しい人いるじゃないですか。

オオハシ

ああ、確かオセロットさん? 随分優秀そうな女性だったね。

インコ君

アイツ、マジヤバイっすよ。

オオハシ

こらこら。アイツとか言わない。

インコ君

いや、マジで、ほんとに。
なんか、僕の今やってるプロジェクトあるじゃないですか?
あれを徐々にアジャイル的?なのにしたいとかなんとか、またわけわかんないことをカイマン部長のやつが言ったらしくて。

オオハシ

やつって上司に言わない。

インコ君

で、ですね。新しいから、
「優しく僕がなんでも教えてあげるねー」って言ったのに、あの高飛車女、うなずいただけだったんですよ。
で、そんときはまだ、寡黙な子なのか?って思ったんですよ。

オオハシ

違ったのかい?

インコ君

違いましたよ!!
次の日の会議で、いきなりですよ!?
「このプロジェクト、タスクの粒度が大きすぎます」
とか言い出して!

オオハシ

ほう。

インコ君

しかもですよ!?
「進捗会議が長すぎます」
「意思決定がトップダウンです」
「自己組織化を阻害しています」
とか!
なんか横文字いっぱい使ってくるんですよ!

オオハシ

おやおや。随分ストレートだねぇ。

インコ君

しかも会議終わったあと、僕が
「いや〜でもウチの会社、そういう文化なんで〜」
ってフォローしたら、真顔で。

オオハシ

なんて?

インコ君

「文化は、変えるためにあります」
って。

オオハシ

……なるほどね。

インコ君

絶対怖い人ですよあれ!!
僕もう毎日レビュー会議イヤですもん!!

オオハシ

フム。
だが、言っていること自体は、そこまで間違ってはいないよ。

インコ君

えぇっ!? オオハシサンまで!?

オオハシ

アジャイルというのは、本来は「変化に適応するため」の考え方だ。
小さく作り、早く試し、改善を繰り返す。

インコ君

でも、なんか、あの人。
理論で殴ってくる感じなんですよ……。

オオハシ

やれやれ。
君は“人”より先に、“言葉”をぶつけられているんだろうね。

オセロットさん

インコさん。先ほどの朝会の件で、ちょっといいですか?

インコ君

でたーーー!! オオハシさん、助けて〜!!

オセロットさん

あなたが噂のオオハシさんですか。お噂はかねがね。
何やら、プロジェクトマネジメントのプロを自負なさっているとか。

オオハシ

いやいや。そんなことは言ったことないですけどね。

インコ君

オオハシさんのプロジェクトマネジメントの知識、すごいんだぞ!

オオハシ

なんでインコ君が威張るんだよ。

オセロットさん

ぜひ勉強させていただきたいです。
でも、オオハシさん、ウォーターフォール専門ですよね?

オオハシ

いや、そんなことないけど。

オセロットさん

私、スタンフォードの大学院でスクラム認定資格のトレーニングを受けてきました。
ぜひ、アジャイル・スクラムのことで分からないことがあれば、聞いていただきたく。

オオハシ

それはすごいですね。。。。

インコ君

で、でた〜!
また始まったよ、横文字マウント!!

オセロットさん

マウントではありません。
対話をしましょう。アジャイルでは対話を重視します。

インコ君

いや今、対話って言いながら僕の話全然聞いてなかったですよね!?

オオハシ

おやおや。

オセロットさん

あと、先ほどの朝会。
インコさんの進捗報告、少し長かったです。

インコ君

えぇっ!?
だってちゃんと説明しないと怒られるじゃないですか!

オセロットさん

計画が全てではありません。
朝会は、簡潔に共有し、素早く動くための場です。

インコ君

でもウチ、朝会のあとに部長説明用の資料作るんですよ?

オセロットさん

……それ、少しウォーターフォールっぽいですね。

インコ君

なんなんだよその「っぽい」って!!
悪口だろそれ!!

オオハシ

フム。
だがオセロットさん。
日本の大規模案件では、説明責任も重要なんだ。
全部を理想通りには変えられない。

オセロットさん

それは理解しています。
ですが、“今まで通り”を続けるだけでは、組織は変わりません。

オオハシ

やれやれ。
君は真面目だねぇ。

オセロットさん

……はい?

オオハシ

理論をちゃんと学んできた人ほど、現実とのズレに苦しむものなんだよ。

オセロットさん

それは新参者に対する警告ですか??

オオハシ

いやいや、一般論を言っただけだよ

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