インコ君なかなか新しいメンバーの扱いに苦労しているみたいですね。
こういう時どうするのが良いのでしょうか?
いつものようにオオハシさんに相談です。
インコ君なかなか納得できてはいないようですね。
マネージメントを経験する中で、なかなかうまくいかないことや
理解できない部下を持つことがあると思います。
オオハシさんが説明したような理論を知ることで対応策を練ることもできるはずです。
ではそれぞれ理論を未定いきましょう
① 期待理論(Expectancy Theory/Vroom)
概要
期待理論は、1964年にカナダの心理学者ビクター・ブルーム(Victor H. Vroom)によって提唱されたモチベーション理論です。この理論は、個人が特定の行動を選択する際、その行動が望ましい結果をもたらすという期待に基づいて動機づけられると説明しています。つまり、人は「努力すれば成果が得られる」「成果を出せば報酬が得られる」と信じるときに、最も意欲的に行動する傾向があります。 (ウィキペディア)
3つの主要要素
期待理論は、以下の3つの要素で構成されます:
- 期待(Expectancy):努力すれば望ましい成果が得られるという信念。これは、個人の過去の経験、自信(自己効力感)、目標の難易度などに影響されます。
- 道具性(Instrumentality):成果を上げれば報酬が得られるという信念。これは、組織の報酬制度や上司との信頼関係、評価の透明性などに影響されます。
- 誘意性(Valence):報酬の魅力や価値。これは、個人の価値観や欲求、目標によって異なります。
これら3つの要素がすべて高い場合、個人のモチベーションは最大化されます。
数式モデル
期待理論は、以下の数式で表されます:
モチベーション(動機づけ)= 期待 × 道具性 × 誘意性(HRBrain | 顧客満足度No.1のタレントマネジメントシステム)
この数式から、いずれかの要素がゼロに近いと、全体のモチベーションも低下することがわかります。
実務への応用
期待理論を職場で活用するためには、以下の点に注意が必要です:
- 明確な目標設定:従業員が努力すれば達成可能な具体的な目標を設定し、期待を高める。(経営コンサルティングの株式会社武蔵野)
- 公正な評価と報酬制度:成果に対して適切な報酬が得られるようにし、道具性を強化する。
- 個人の価値観の理解:従業員が何を価値ある報酬と感じるかを理解し、誘意性を高める。
例えば、ある従業員が「新しいプロジェクトに参加することでスキルが向上し、キャリアアップにつながる」と感じれば、そのプロジェクトへのモチベーションは高まります。
② X理論・Y理論(マクレガー)
概要
X理論・Y理論は、アメリカの心理学者ダグラス・マクレガーが1960年に著書『企業の人間的側面』で提唱した、組織における人間の動機づけに関する2つの対照的な理論です。この理論は、従業員の行動やモチベーションに対する管理者の基本的な信念が、マネジメントスタイルに大きな影響を与えることを示しています。(やる気ラボ)
マクレガーは、アブラハム・マズローの欲求階層説を基に、人間の欲求が階層的に存在し、低次の欲求が満たされると高次の欲求を追求するようになると考えました。この考え方は、X理論とY理論の両方に影響を与えています。(THEORIES)
X理論(Theory X)
X理論は、人間の本性を「怠惰で責任を回避し、外部からの強制や監督がなければ働かない」とする性悪説に基づいています。この理論における管理スタイルは、厳格な指示や監視、報酬と罰による動機づけを特徴とし、従業員の行動をコントロールすることに重点を置いています。(Lucidchart)
X理論の主な前提:
- 人間は本来、仕事を嫌い、可能であれば避けようとする。(識学総研)
- 責任を回避し、指示されることを好む。
- 安全を最優先し、野心が乏しい。
- 外部からの強制や監督がなければ、組織の目標を達成しようとしない。
このような前提に基づく管理スタイルは、ルーチンワークや単純作業など、厳格な監督が必要とされる職務に適しているとされています。
Y理論(Theory Y)
Y理論は、人間の本性を「仕事に対して積極的で、自己実現を求め、自律的に行動する」とする性善説に基づいています。この理論における管理スタイルは、従業員の自主性や創造性を尊重し、信頼とコミュニケーションを重視することに重点を置いています。
Y理論の主な前提:
- 仕事は人間にとって自然な活動であり、適切な条件下では進んで取り組む。
- 自己管理や自己統制が可能であり、責任を受け入れる。
- 問題解決能力や創造性を備えており、これらは広く分布している。
- 自己実現や承認といった高次の欲求が、仕事を通じて満たされることを望む。
このような前提に基づく管理スタイルは、創造的な仕事やチームワークが求められる職務に適しており、従業員のモチベーションや満足度を高める効果が期待されます。
実務への応用
マクレガーは、X理論とY理論を単なる対立概念としてではなく、状況に応じて使い分けるべきであると提唱しました。例えば、経験の浅い従業員や新しい業務に取り組む場合は、X理論的な管理が効果的である一方、経験豊富な従業員や創造的な業務に取り組む場合は、Y理論的な管理が適しているとされています。
現代の組織では、従業員の多様性や業務の複雑性が増しているため、X理論とY理論のバランスを取りながら、柔軟なマネジメントスタイルを採用することが求められています。
③ 境界理論(Role Boundary Theory)
概要
境界理論(Role Boundary Theory)は、個人が職場や私生活など複数の役割を持つ中で、それぞれの役割の境界をどのように設定し、管理するかを説明する理論です。この理論は、役割間の境界を明確に区切る「セグメンテーション(分離)」と、役割を柔軟に統合する「インテグレーション(統合)」の2つのアプローチに焦点を当てています。
例えば、仕事と私生活を明確に分ける人はセグメンター(Separator)と呼ばれ、仕事と私生活を柔軟に統合する人はインテグレーター(Integrator)と呼ばれます。どちらのアプローチが適しているかは、個人の性格や職務内容、組織文化などによって異なります。(note(ノート))
境界の特性
境界理論では、役割間の境界には以下の特性があるとされています:(InfoQ)
- 柔軟性(Flexibility):役割の境界をどれだけ柔軟に変更できるか。例えば、在宅勤務が可能な職場では、仕事と私生活の境界が柔軟になります。(note(ノート))
- 透過性(Permeability):ある役割の活動が他の役割にどれだけ影響を与えるか。例えば、仕事中に私用の電話を受けることが許されている場合、境界の透過性が高いと言えます。
これらの特性は、個人のストレスレベルや仕事満足度、ワークライフバランスに影響を与える要因となります。
実務への応用
境界理論を職場で活用するためには、以下の点に注意が必要です:
- 役割の明確化:従業員が自分の役割と責任を明確に理解できるようにする。特に異動直後や新しいプロジェクトに参加する際には、役割の境界を明確にすることが重要です。
- 柔軟な働き方の促進:在宅勤務やフレックスタイム制度など、柔軟な働き方を導入することで、従業員が自分に合った境界管理を行いやすくなります。
- コミュニケーションの強化:上司と部下の間で定期的なコミュニケーションを行い、役割の期待値や境界に関する認識を共有することが重要です。
例えば、異動してきたばかりの従業員が「自分の仕事はここまで」と境界を強く主張する場合、上司はその境界を尊重しつつ、徐々に新しい役割への適応を支援することが求められます。
④ SL理論(状況対応型リーダーシップ)
概要
SL理論は、1969年にポール・ハーシーとケネス・ブランチャードによって提唱されたリーダーシップ理論で、部下の成熟度(能力と意欲)に応じて、リーダーが最適なリーダーシップスタイルを柔軟に選択・適用することを提唱しています。この理論は、すべての状況に適応できる普遍的なリーダーシップスタイルは存在しないという前提に立ち、状況に応じたリーダーシップの重要性を強調しています。 ドダズ+2Chatwork+2ツギノジダイ+2
2つの行動軸と4つのリーダーシップスタイル
SL理論では、リーダーの行動を以下の2つの軸で分類します:Musubuライブラリ | BtoBをハックする BtoB大百科
- 指示的行動(Task Behavior):部下に対して、何をどのように行うかを明確に指示する行動。
- 支援的行動(Relationship Behavior):部下の感情や意見に配慮し、信頼関係を築くための行動。
これらの行動軸の組み合わせにより、以下の4つのリーダーシップスタイルが導かれます:
- S1:指示型(Telling)
- 高い指示的行動、低い支援的行動。coaching-labo.co.jp
- 部下に対して具体的な指示を出し、業務の進め方を明確に伝える。
- S2:コーチ型(Selling)
- 高い指示的行動、高い支援的行動。interbridgegroup.jp+11coaching-labo.co.jp+11solution.jma.or.jp+11
- 指示を出しつつ、部下の意見を尊重し、理解と納得を促す。
- S3:参加型(Participating)
- 低い指示的行動、高い支援的行動。ツドイカツヤク研究所
- 部下と協力しながら意思決定を行い、主体性を引き出す。
- S4:委任型(Delegating)
- 低い指示的行動、低い支援的行動。
- 部下に業務を任せ、必要に応じてサポートを行う。
部下の成熟度(Development Level)
SL理論では、部下の成熟度を以下の4段階に分類し、それぞれに適したリーダーシップスタイルを適用します:Chatwork
- D1:低い能力・高い意欲
- 新しい業務に対して意欲はあるが、経験やスキルが不足している状態。
- D2:中程度の能力・低い意欲
- ある程度のスキルはあるが、自信や意欲が低下している状態。
- D3:高い能力・変動する意欲
- スキルは高いが、モチベーションや自信に波がある状態。
- D4:高い能力・高い意欲
- スキルも意欲も高く、自己管理が可能な状態。
リーダーは、部下の成熟度に応じて、以下のようにリーダーシップスタイルを選択します:
- D1 → S1(指示型)
- D2 → S2(コーチ型)
- D3 → S3(参加型)
- D4 → S4(委任型)
実務への応用
SL理論を実務で活用するためには、以下の点に注意が必要です:
- 部下の成熟度を正確に把握する:部下の能力や意欲を客観的に評価し、適切なリーダーシップスタイルを選択する。
- 柔軟なリーダーシップの実践:部下の状況や業務内容に応じて、リーダーシップスタイルを柔軟に変更する。
- 継続的なコミュニケーション:部下との対話を重ね、信頼関係を築きながら、成長を支援する。
例えば、異動してきたばかりの部下が新しい業務に取り組む際には、S1(指示型)で具体的な指示を出し、業務に慣れてきたらS2(コーチ型)やS3(参加型)へと移行することで、部下の成長を促すことができます。
⑤ 心理的安全性(Psychological Safety)
概要
心理的安全性とは、チームや組織内で、メンバーが自分の意見やアイデア、懸念、ミスなどを率直に表現しても、他者からの非難や罰を恐れることなく、安心して発言できる状態を指します。この概念は、ハーバード大学のエイミー・C・エドモンドソン教授によって1999年に提唱されました。(グロービス経営大学院 創造と変革のMBA, プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES)
エドモンドソン教授は、心理的安全性を「チームの他のメンバーが自分の発言を拒絶したり、罰したりしないと確信できる状態」と定義しています。 (プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES)
特徴と重要性
心理的安全性が高いチームでは、メンバーが以下のような行動を安心して取ることができます:(カオナビ)
- 新しいアイデアや意見を自由に共有する
- 疑問や懸念を率直に表明する
- ミスや失敗を認め、学びの機会とする
このような環境は、チームの学習能力、創造性、革新性を高め、組織全体のパフォーマンス向上につながります。 (カオナビ)
実務への応用
心理的安全性を高めるためには、以下のような取り組みが有効です:
- リーダーシップの役割:リーダーは、メンバーの意見や感情を尊重し、受け入れる姿勢を示すことで、安心して発言できる雰囲気を醸成します。
- オープンなコミュニケーション:定期的なミーティングやフィードバックの機会を設け、メンバーが自由に意見を交換できる場を提供します。
- ミスを学びの機会と捉える文化:失敗を責めるのではなく、そこから何を学べるかを重視する文化を育てます。
これらの取り組みにより、メンバーは安心して意見を述べ、積極的にチームに貢献するようになります。
心理的安全性は、チームや組織の健全な成長と成果に不可欠な要素です。リーダーやメンバー全員が協力して、安心して意見を共有できる環境を築くことが重要です。



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