他社との作業範囲が曖昧で、火種になりそうです。

インコ君

オオハシさん、大変だよー!このままだと他社と揉めそうだよ!

オオハシ

おやおや、また何か問題が起きたのかい?

インコ君

うん…。今回のプロジェクトで、一部の作業を他社にお願いしてるんだけど、
どこまでがウチの担当で、どこからが向こうの担当なのか、すごく曖昧なんだ。

オオハシ

ふむ、それはまずいな。他社と役割分担が不明確だと、責任の押し付け合いになりかねないぞ。

インコ君

そうなんだよ!しかも、最初はめちゃくちゃ雰囲気よかったんだよ!
最初のキックオフMTGでは、お互いニコニコしながら、
「今回は一緒にいいもの作りましょう!」
「協力しながら進めていきましょうね!」
って、めちゃくちゃ和やかムードだったんだ。

インコ君

その後も、何度かMTGを重ねて、要件を整理して、着実に進めてると思ってたんだけど…。
でも、開発が進むにつれて「あれ?これ誰がやるの?」っていう作業がポロポロ出てきてさ…。
最初の要件定義には入ってなかった細かい部分が見えてきたんだ。

オオハシ

ああ、プロジェクトあるあるだな。要件が完全に網羅されてることなんて、まずない。

インコ君

そう!で、その「要件から漏れてた作業」をどっちがやるかって話になったんだけど、
これがまあ、どっちもやりたがらなくてさ…。
うちも向こうも、既存の業務で手一杯だから、追加の作業なんてやりたくないんだよね。

オオハシ

まあ、スケジュールもリソースもギリギリなら、余計な仕事は押し付けたくなる気持ちも分かる。

インコ君

最初は「ここまでがうちの担当ですよね?」くらいの確認だったのに、だんだん雰囲気が怪しくなってきて…。
向こうの担当者が、「いやいや、そこまでウチがやるって話じゃなかったですよね?」って言い出してさ。
こっちも「え?そっちでやるって言ってませんでした?」って返したら、
そこからもう、完全に押し付け合いモード突入!

オオハシ

おっと、これはもう完全に炎上寸前だな。クライアント側はどうなんだ?

インコ君

最初は「まぁまぁ、どっちがやるか決めて進めてくださいね」って感じだったんだけど、
どっちも譲らないもんだから、クライアント側もだんだんイライラし始めて…
「こっちとしては、決まったスケジュールで進めてもらわないと困るんですが?」
「今さら揉められても、納期は変えられませんよ?」
って、めっちゃ圧かけられた!

オオハシ

なるほど、これはSOW(作業範囲記述書:Statement of Work)がしっかり定義されてなかったのが原因だな。

インコ君

うぅ… どうしたらいいの?

オオハシ

今からでも遅くない。RACIチャートを作成して、誰が何を担当するのか整理しよう。

インコ君

なるほど!じゃあ、今から関係者を集めて、RACIチャートを作ってみるよ!

オオハシ

そうだな。他社との関係も悪化する前に、しっかり役割を整理しておこう!


作業範囲記述書(Statement of Work: SoW)とは

作業範囲記述書(SoW)とは、プロジェクトの作業範囲、責任の分担、納品物、スケジュール、品質基準などを明確に記述する公式文書です。SoWはプロジェクト開始前に作成され、関係者全員が合意することで、後々の認識のずれを防ぐ役割を果たします。

なぜSoWが重要なのか?

プロジェクトにおいて、関係者間で期待される作業範囲が異なっていると、進行中に「これは誰の仕事なのか?」といったトラブルが発生する可能性があります。SoWは以下のような問題を防ぐために不可欠です:

  • 関係者間の認識のずれを防ぐ
  • 作業範囲の明確化により、責任の所在を明らかにする
  • スケジュール管理を容易にし、納期の遵守を確実にする
  • 契約内容の確認として、後々のトラブル回避に役立つ

SoWに含まれる主な項目

SoWには、プロジェクトのスムーズな進行を確保するため、以下のような重要な情報が含まれます。

1. プロジェクトの目的と背景

プロジェクトの背景、目的、達成すべき目標を明確に記述します。この情報があることで、プロジェクトの意義を関係者全員が共有できます。

2. 作業範囲(Scope of Work)

プロジェクトにおける具体的な作業範囲を明確にします。「何が含まれるか」「何が含まれないか」を記載することで、後々のトラブルを防ぎます。

3. タスクと成果物(Deliverables)

プロジェクトの中で発生するタスクと、その結果として作成される納品物を定義します。例えば、システム開発プロジェクトでは「設計書」「ソースコード」「マニュアル」などが該当します。

4. スケジュールとマイルストーン

各タスクの実施時期と、重要なマイルストーン(プロジェクトの節目)を明示します。これにより、遅延リスクを低減できます。

5. 品質基準と検査条件

プロジェクトの成果物が満たすべき品質基準を定義します。また、どのような条件で検査・承認を行うのかを明確にします。

6. 予算とコスト管理

プロジェクトに必要な予算や、各タスクごとの費用見積もりを記載します。予算管理を明確にすることで、不必要なコスト増加を防ぎます。

7. 契約条件・リスク管理

プロジェクトで発生しうるリスクを特定し、それに対する対策を記載します。また、支払い条件や契約解除に関する情報も含まれることが多いです。

SoWを活用するメリット

SoWがしっかりと定義されていることで、以下のようなメリットがあります:

  • プロジェクトの進行がスムーズになる
  • ステークホルダーの期待値を統一できる
  • 作業の抜け漏れを防ぎ、後からのトラブルを防止
  • 契約上の責任範囲が明確になる

SoW作成時の注意点

SoWを作成する際には、以下の点に注意が必要です:

  • 作業範囲を詳細に定義し、あいまいな表現を避ける
  • 関係者全員と十分に協議し、合意を得た上で作成する
  • 変更が発生した場合の手続きを明確にする

まとめ

SoW(作業範囲記述書)は、プロジェクトの成功に不可欠な文書です。プロジェクトのスコープ、タスク、スケジュール、品質基準などを明確にし、関係者間で共通認識を持つために活用されます。
事前にしっかりとSoWを作成することで、プロジェクトのトラブルを未然に防ぎ、スムーズな進行を実現しましょう。


RACI チャートとは?

RACI チャート(RACI 図)とは、プロジェクト内のすべてのタスク、マイルストーン、成果物における役割と責任をメンバーに割り当てた表のことです。日本語では「責任分担表」とも呼ばれます。「RACI」は以下の4つの役割の頭文字を取ったものです。

RACI の4つの役割

  • Responsible(実行責任者): 特定のプロジェクトタスクを担当する人。各タスクについて一人だけであることが重要です。実行責任者が複数いると、他の実行責任者の判断を待つ必要が生じ、プロジェクトの遅れにつながる可能性があります。また、ステークホルダーも誰に質問すればよいのか分からず、混乱のもととなります。
  • Accountable(説明責任者): タスクの遂行を監督し、最終的な責任を持つ人。多くの場合、マネージャーがこれに該当します。説明責任者も各タスクにつき一人のみであることが望ましいです。
  • Consulted(協業先): 作業を次の段階に進める前、または完了とする前に、内容を確認して承認する人。協業先は複数人いる場合もあります。
  • Informed(報告先): 作業の進捗状況や結果に関して報告を受ける人。作業中に意見を述べることはありませんが、結果を知る必要がある人々です。

RACI チャートの重要性

プロジェクトにおいて、各メンバーの役割と責任を明確にすることは、以下の理由で重要です。

  • 責任の明確化: 誰が何をするべきかが明確になることで、タスクの重複や抜け漏れを防ぎます。
  • コミュニケーションの円滑化: 各メンバーの役割が明確であれば、適切な情報共有が可能となり、意思決定の迅速化につながります。
  • プロジェクトの効率化: 役割と責任が明確であることで、無駄な作業を減らし、プロジェクトの効率を高めることができます。

RACI チャートの作成方法

RACI チャートを作成する際の一般的な手順は以下の通りです。

  1. タスクの洗い出し: プロジェクト内のすべてのタスク、マイルストーン、成果物をリストアップします。
  2. チームメンバーの特定: プロジェクトに関与する全てのメンバーをリストアップします。
  3. マトリックスの作成: 縦軸にタスク、横軸にチームメンバーを配置したマトリックスを作成します。
  4. 役割の割り当て: 各タスクに対して、R(実行責任者)、A(説明責任者)、C(協業先)、I(報告先)を割り当てます。
  5. 確認と合意: 作成したRACI チャートをチーム全体で確認し、合意を得ます。

RACI チャートのメリットとデメリット

RACI チャートには以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット

  • 責任の明確化: 各メンバーの役割と責任が明確になることで、プロジェクトの進行がスムーズになります。
  • コミュニケーションの向上: 誰が何を担当しているかが明確になることで、情報共有が円滑になります。
  • 問題の早期発見: 役割が明確であれば、問題が発生した際に迅速に対応できます。

デメリット

  • 柔軟性の欠如: 役割を固定化しすぎると、状況の変化に対応しづらくなる可能性があります。
  • 作成の手間: 大規模なプロジェクトでは、RACI チャートの作成と維持に時間と労力がかかることがあります。

サンプル

RACIチャートの例(システム開発プロジェクト)

以下は、システム開発プロジェクトにおけるRACIチャートのサンプルです。

タスク プロジェクトマネージャー 開発リーダー エンジニア クライアント
要件定義 A C I R
設計 C A R I
開発 I C R I
テスト C A R I
リリース A R C I

凡例(RACIの意味)

  • R(Responsible: 実行責任者) – 実際に作業を行う担当者
  • A(Accountable: 説明責任者) – タスクの最終的な責任を持つ人
  • C(Consulted: 協業先) – 意見や助言を求められる人
  • I(Informed: 報告先) – タスクの進捗や結果を知らされる人

まとめ

RACI チャートは、プロジェクト内の役割と責任を明確にし、チームの効率的な運営をサポートする有用なツールです。適切に活用することで、プロジェクトの成功率を高めることが期待できます。

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