MVVは必要なのか?
オオハシさん、だいぶ、MVVについて否定的でしたね。
一般的にはどこの組織もMVVを策定して、会社の立ち上げや新組織の立ち上げの時に時間をかけたり、合宿をしたりして経営陣はそれを発表して満足しています。
それが、なぜ、問題なのか?
そして、なぜ、ここ数年MVVに否定的な有識者や論調が出てきているのかを、このブログでは書いていきます。
まず、MVVとは何か、を簡単に整理しておきましょう。
- Mission(ミッション):企業が社会に対して果たすべき使命や存在意義
- Vision(ビジョン):企業が目指す未来像や理想的な姿。
- Value(バリュー):企業や組織がミッションやビジョンを実現するために大切にする価値観や行動指針。従業員が行動する際の指針となる価値観や行動原則
これらを言葉にすること自体は、本来悪いことではありません。
しかし、現実にはMVV策定プロジェクトが「自己満足」や「儀式」になってしまうことが少なくないのです。
たとえば、以下のような問題点が指摘されています。
【MVV策定の弊害】
- 1. 現場と無関係な理念になりがち
経営陣だけで作った「理想」が、現場の業務や日常と何のつながりもない。
そのため従業員からは「またきれいごと言ってる」と冷めた反応をされる。 - 2. 策定プロジェクト自体が目的化する
合宿やワークショップを盛大に行った結果、みんな達成感を感じてしまう。
しかし、実際にMVVを運用に落とし込む活動は放置され、策定で満足してしまう。 - 3. 変化への対応を阻害する
一度「これが私たちのMVVです」と宣言してしまうと、変化に応じて柔軟に修正できなくなる。
特に今のような変化の激しい時代では、「10年前に作ったMVV」が逆に組織の足かせになる。 - 4. バリューが抽象的で現場で使えない
「誠実さ」「イノベーション」「チームワーク」など、ありがちな言葉ばかりが並び、どう行動すればいいか分からない。
口だけになり、かえって組織の信頼を損なう。 - 5. 策定者の自己満足に終わる
経営陣やコンサルタントが「いいMVVを作った」と満足しても、現場には何も届いていない。
結果として時間もコストも無駄になる。
このような弊害が指摘される中、MVVへの懐疑的な意見も増えてきています。
たとえば、参考になる記事として以下を紹介します。
🔍 MVVの失敗事例と参考リンク
1. ビジョンとミッションがずれている事例
ビジョンとミッションが連動していない場合、組織全体の方向性が不明確になり、従業員の混乱を招くことがあります。
- ビジョン策定でよくある失敗
ビジョンがミッションやバリューと紐づいていないため、組織の方向性が定まらない事例が紹介されています。
👉 ビジョン策定でよくある失敗|だからビジョンが機能しない - MVV策定失敗のあるある
MVV策定にありがちな失敗を詳しく解説している記事もご紹介します。 - 👉 MVV策定で陥りがちな失敗パターンとその対策【経営者向け】 – mshimada-blog
- この記事では、MVVを作る際に陥りがちな3つのパターンがまとめられています。
- 特に、「抽象的すぎる言葉でまとめてしまう」「現場目線が抜け落ちる」「理念を作るだけで満足してしまう」など、現実の組織運営で起こりやすい課題が具体例とともに説明されています。
- また、単なる批判ではなく、それぞれの失敗に対する具体的な対策案まで提示されているのが特徴です。
- MVVを形骸化させず、実効性のあるものにするためのヒントが詰まった記事です。
2. 数が多すぎる事例
MVVの数が多すぎると、従業員が何を重視すべきか分からなくなり、行動指針として機能しなくなることがあります。
- 👉 MVVが形骸化してしまった話
- この記事では、MVVが策定された直後は注目を集めるものの、時間が経つにつれ現場の実態と乖離し、形骸化していくプロセスが具体的に解説されています。
- 特に、「MVVが社員にとって腹落ちしていないまま掲げられることの危険性」や、「バリューが単なる標語になってしまう弊害」について深く掘り下げられており、非常に示唆に富んでいます。
- MVVの解像度が低いと浸透しない
バリューが抽象的すぎたり、多すぎたりすると、従業員が具体的な行動に落とし込めない事例が紹介されています。
👉 MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の解像度が上がる! 事業 …
それでもMVVやりますか?
MVVはツールです。 概念は素晴らしくうまく使いこなしている組織も存在しますし
意味のある方法論ではあります。しかし策定や運営のコストの割に対して
メリットが少ない方法論ではないか?と思ってます。
見た目以上に難易度が高く、運用のコストも高いこの方法論の採用
今一度見直した方が良いのではないでしょうか?
と、否定的な事を書いてますが、最後は
こちらのサイトから
筆者が素晴らしいともった企業のMVVを紹介します
MVVが素晴らしいと思う企業例
サントリー
| ミッション | 人と自然と響きあい、豊かな生活文化を創造し、「人間の生命いのちの輝き」をめざす。 |
| ビジョン | ― |
| バリュー | Growing for Good やってみなはれ 利益三分主義 |
出典:SUNTRY|グループ企業理念
ビジョンを消している点が素晴らしいですね。
非常に考えられた結果でミッションとバリューに絞られているのだろうと思われます。
バリューも行動指針として3つでわかりやすいです
バリューの「やってみなはれ」が素晴らしいセンスを感じますね
リクルートホールディングス
| ミッション | まだ、ここにない、出会い。 より速く、シンプルに、もっと近くに。 |
| ビジョン | Follow Your Heart |
| バリュー | 新しい価値の創造 / Wow the World 個の尊重 / Bet on Passion 社会への貢献 / Prioritize Social Value |
ビジョンが少しよくわかり辛いですが、ミッションがとにかく素晴らしいですよね
リクルートのサービス全般を見回してもこのミッションに沿っている気がするのが素晴らしいですね。
また、バリューが組織カルチャーと浸透しており、それが会社の力になっている点もとにかく素晴らしいですね。なおさら、ビジョンいらないなというきも逆にしますが。。
ソフトバンクグループ株式会社
| ミッション | 情報革命で人々を幸せに |
| ビジョン | 「世界に最も必要とされる会社」を目指して |
| バリュー | No.1 挑戦 逆算 スピード 執念 |
バリューが5個は少し多い気がしますが、 挑戦・スピード・執念というのはものすごく会社のカルチャーを表している気がします。ミッションとビジョンもすごく短く練られたワードで
MVVってこういうふうにするもんだろうなという見本な気がします
キリンホールディングス株式会社
| ミッション | キリングループは、自然と人を見つめるものづくりで、「食と健康」の新たなよろこびを広げ、こころ豊かな社会の実現に貢献します |
| ビジョン(2027年まで) | 食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となる |
| バリュー | ・熱意 ・誠意 ・多様性 |
バリューが素晴らしいですね。3つになっているのがいいですね。
このバリューは社員が動く時の指針になる気がしまし、仕事をする上で非常に重要な気もします。
ビジョンが2027年までのビジョンとなっているの非常に素晴らしいですね。
ミッション少し長い文章になってますが、ちゃんと書こうと思うとこうなりますよね
株式会社ファーストリテイリング
| ミッション | 本当に良い服、今までにない新しい価値を持つ服を創造し、世界中のあらゆる人々に、良い服を着る喜び、幸せ、満足を提供します独自の企業活動を通じて人々の暮らしの充実に貢献し、社会との調和ある発展を目指します |
| ビジョン | ― |
| バリュー | お客様の立場に立脚 革新と挑戦 個の尊重、 会社と個人の成長正しさへのこだわり |
出典:FAST RETAILING|FAST RETAILING WAY (FRグループ企業理念)
ミッションとバリューが繋がっていて、おそらく、ミッションとビジョンの区切りが邪魔だったので
まとめているのではないかと思いますが、その決断とバリューの素晴らしがいいですね。
MVで良いんじゃないか?と言う気がする素晴らしい事例です。
逆にこれはどうだろうという事例
次に、参考サイトは同じまま、個人的にこれはどうか?と思う事例です
日産自動車株式会社
| ミッション | 私たち日産は信頼される企業として、独自性に溢れ、革新的なクルマやサービスを創造し、その目に見える価値を、すべてのステークホルダーに提供します。 |
| ビジョン(2030年まで) | 共に切り拓く、モビリティとその先へ |
| バリュー | ― |
こちらはバリューを策定してないパターンですね。
バリューを必ず作るという固定概念から外れている点は素晴らしいと思いますが、
ある意味、行動指針がMVVの要の気もしている身からすると
ミッションとビジョンの差がわかりにくく、
バリューがないから、ミッションが実現できる行動が起きてないのでは?と思ってしまいました。
後、ビジョンが2030年までというのも少し、「呑気なのでは?」とスピード感のなさを感じさせてしまう気がするのは筆者だけでしょうか?逆にビジョンの内容はすごく抽象的なので、2030年までにしなくてもよいのでは?という気がします。。
株式会社ブリヂストン
| ミッション | 最高の品質で社会に貢献 |
| ビジョン | 2050年 サステナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を持続的に提供している会社へ |
| バリュー | 誠実協調 進取独創 現物現場 熟慮断行 |
ミッションとビジョンは素晴らしいですが、バリューが難しいすぎません?
現物現場は素晴らしいと思いますが
その他の4文字熟語が見たことなくないですか?
熟慮断行はなんとなくわかりますが、進取独創と言うのと何が違うんですかね?
そもそも進取独創が難しすぎますね。。
進取独創 詳細
“”「進取独創」は、自ら進んで新しいことに挑戦し、創造性を発揮する姿勢を指します。具体的には、従来のやり方にとらわれず、独自のアイデアや方法で新しいことを作り出す意欲や能力を意味します””
とのことですが、 熟慮断行となんとなく似てませんかね?
これ実際の現場の人は馴染んでいるのか居酒屋で聞いてみたいです。
ソニー株式会社
| ミッション | テクノロジーの力で未来のエンタテインメントをクリエイターと共創する |
| ビジョン | 世界中の人に感動を提供し続ける |
| バリュー | ― |
出典:ソニー株式会社|ミッション/ビジョン
バリューをなくしている点が素晴らしい気がしますが、ミッションとビジョンが逆なのでは?
と言う気もしますし、ミッションだけでもいいのでは?と言う気がしてしまいます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
色々好き勝手に書いていますが、MVVそのものを否定したいわけではありません。
ただ、形だけ立派なものを作るよりも、そこに込められた想いが、ちゃんと日常に生きているかどうか。
それを一番大切にしたいなと思っています。
ミッション、ビジョン、バリュー。
どんなに立派な言葉でも、そこに血が通わなければ、ただの飾りになってしまいます。
逆に、たとえシンプルであっても、毎日の仕事の中で少しずつ沁みこんでいくようなMVVなら、それはきっと意味のあるものになるはずです。
そして、時には勇気を持って、あえてMVVを採用しない、
あるいは、ミッションとバリューだけ(MVだけ)に絞る
など、そんな柔軟な選択をしてもいいのだと思います。
大切なのは、「作ること」よりも、「使えること」。
組織も人も、変わり続けます。
だからこそ、作ったMVVに縛られるのではなく、時には見直しながら、柔らかく育てていくくらいがちょうどいいのかもしれませんね。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。



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